「ふーっ」


緊張する…


浅木緑は帰宅部の扉の前で立っていた。


南校舎の3階の階段のすぐ隣。

そこが、帰宅部の本拠地だった。


緑が幼い頃から、西南高校の帰宅部には不思議な噂があった。

それは、


『帰宅部は麻薬の輸入を手伝っている』

や、

『昔、西南高校の講師が自殺したのは帰宅部のせい』

など、意味不明な噂が多数あった。



そんな噂は今でも続いており、緑は好奇心から帰宅部に入部することを決めたのだった。