バカと天才は紙一重である。


普通の人間から見れば呆れるようなアホしてる奴が実はすごい奴やった……みたいなコト。


まぁ、それはほんの一握りの天才の話。


実際のアホは、遠足の前日にリュック背負って来たり、わざわざ授業中に早弁したり、学校に犬連れてきて、

「散歩や」

とかほざいては、教師の頭を悩ますって言うとんでもない存在を差す。


簡単に言えば俺の幼なじみってコト。




「あっ! オッサンや」

「はぁ?」


こう叫ぶなり、校庭の端にしゃがみ込んだ背中を呆れたように見た。


背中越しに見えたのは、


「なんでオッサンやねん。パンジーやろアホ」


紫や橙のパンジーが咲いてた。


「アホ言うな! 黒いとこがオッサンの顔みたいやんけ! やからオッサンでええねんっ」


親切に指摘してやった俺に、アホは逆ギレして帰って行ってしまった。


俺は間違ったコトは言ってへん。

でも、なんとなく後味が悪い……。


腑に落ちひんから、帰って台所におったオカンに愚痴るコトにした。