「──ハル様?ハル様ならお食事を済ませて自室に戻っている筈ですよ」
「は?部屋に戻ってる?」
「ええ」
面倒くさそうに眼鏡を上げた大臣は
驚いて口が開きっぱなしのカイトを見ず
机の上に広げられた書類に目を通す
ここは大臣の部屋
壁一面が本棚となっていて
重苦しいし、堅苦しい部屋
「ハルは朝起きた時にいなかったってナナ達が言ってた。いる訳ねえじゃん」
「いつものように朝から花畑を走り回ってたんでしょう」
「パジャマで、か?」
「………」
書類に向けていた視線を
真剣な表情のカイトに向けると
大臣は深い溜め息をついた
「とにかく、お食事を済ませたのは事実です。なんなら王達に聞いてみては?申し訳ありませんが私はご覧の通り、忙しいので」
「……分かった」
大臣はもう話す様子がないので
カイトは聞き出すのを諦めて部屋を出た
何か……変だな
大臣はどこか怪しいけれど
彼はとても信頼出来る人物だ
カイトは疑問を感じながらも
ハルの部屋に向かって走った
_

