──生き物の気配がしない
気味の悪いほど静まった森

森が開け、目の前に広がるのは
透き通った水がキラキラ輝く湖

思わず息を呑むほどに
綺麗な光景を前にして
ハルは深い溜め息をついた


「溜め息なんてついて、嫌な事でもあったの?」


そう言って微笑んだ
深い緑色の髪に金色の瞳の少年

ハルはまた深い溜め息をついた


何であなたがいるの……?
てゆうかまたこの夢ー……


キスされかけたのが
だいぶトラウマなのか
ハルは関わらないように回れ右をした


「おやすみなさいっ!!」


現実に戻る為に走り出したハル

少年が追ってくる様子は無く
早く覚めて!と祈りながら
光速で森を駆け抜ける

やっと森を抜けたと思ったら


「おはよう」

「おはよー……じゃないってえっ!!」


目の前で微笑む少年を
ハルはビシッと指差した


「そこは¨おかえり。¨でしょーがっ!!春はまだ起きてないのっ!」


……え、そっち?


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