空の姫と海の王子



「勿論蓮の力も必要だけど、それじゃ駄目だ」


葵の答えに目を細めて瞳を戻すと
蓮は暫く葵の目を真っ直ぐ見て


「………あ、そ。考えがあるなら早く言ってくれない?内容次第じゃ怒るよ?」

「そうだな」


大人しくなった蓮が座ったのを確認して
葵は頭の中で作り上げた
これからの”シナリオ“を話し出した


「彼らの居場所を特定する為には春の移動術の《桜吹雪》でいけると思う。前と違って能力も完全に戻ってるみたいだしな」

「それは不可。春の身体にはアイツの設定が残ってるんだけど」

「ああ、それなら大丈夫。俺が後で消しとくから」


消しとく?

奈央と蓮が疑問を抱いてると分かって
葵ほら、俺、人間じゃないし。と笑ったが
二人は何だかよく分からないままだった


「春のアレだったら相手がイメージ出来れば飛べる。俺達はそれで海斗達を探して、あいつらが今どんな状況かを判断する」

「EARTHに捕まってるか、フリーなのかってこと?」

「そう。フリーだったらそのまま連れてくればいいけど、EARTHに捕まってたら話は別だ」


そのまま利用させてもらう

そう言って笑った葵に
奈央は少し鳥肌が立って
自分の腕を掴む手に力が入った


「春と接触させてEARTHに嘘の情報を流す。そう、例えば“春がもう空を捨てて、この世界を諦めている”と彼方に思わせればEARTHはどうする?」


空と海は二人でひとつ

片方だけが手元にあっても意味は無い
だから春の捜索人員を増員させて

春が空の能力を捨ててしまう前に
春に海斗を接触させようとするだろう


「そうなったら俺達とSANの出番だ」