空の姫と海の王子




「だからさー、」


春ちゃん達は人間界に行くために
空と海の扉を使おうとしたけど
何かの手違いでその行為は
空と海の扉を破壊しかけてしまった

防衛機能が働いた扉は
春ちゃん達が二度と扉に触れないように
その能力を封印して身体を人間に変えて
人間界に放り出した

能力も無いただの人間は
能力者の特殊な波動を持たないから
僕達は海斗達を見つける事ができない


淡々と話した後、息を吐いて
勝ち誇った顔をした蓮と
悔しそうに蓮を睨む奈央

蓮の説明で理解出来てしまったのが
とてもとても悔しかったらしい


「……あ、葵!あんたが最初からちゃんと説明してればこんな悲劇は……っ馬鹿!!」

「ああ……そう、ごめん」

「素直に謝んなし!あたしが悪いみたいじゃん!」

「あーうん、そーだねー」


適当に流した蓮に対して奈央が
死ね死ね死ねと呪文のように呟くが
勿論蓮はそんなの気にしない


「……で?どうやって海斗達を見つけるの?何か案はあるわけ?」

「案と言っていいのか分からないけどな」

「へえ……春ちゃんを使うわけ?」


葵の視線は春に向かっていて
明らかに不服そうな蓮は
瞳を空色に変化させて春の前に立った


「もし空の能力が必要なら僕で十分だと思うけど?」