空の姫と海の王子




「……っ」


蓮は思わず息を呑んだ

葵の言った言葉が信じられない

困惑する蓮に構う事なく
葵は淡々と話を続けた


「犯した禁忌は”空と海の扉の破壊“。扉は破壊されるのを察知したんだろう、その危険を回避する為に春達を人間界に飛ばした」

「ちょっと……それって」

「二度と扉に触れる事の無いように、能力を封印して」


そして、恐らくは


「海斗達も人間にされた筈だ」


奈央は大きく目を見開いた

信じられない事ばかりで
思考が追い付かない

だけど、ひとつだけ分かる


「どうして……、”も“…って、何?」

「……分からない?」


葵が視線を落とした
その視線の先にいるのは

蓮の腕の中で眠る、春
 

些細な声に気づかない
奈央が追い付ける程度のスピード
体を包む空色の光の儚さ

奈央の頭に蘇る記憶の春は
確かにどこか変だった


「何でなのかは分からないけど、春は能力が残っていたから俺達は春を見つけられた。海斗達を見つけられないのは、能力が封印されているから」