空の姫と海の王子



葵は多分、分かってる

それでも何も言わないのは
もしかしたら、本当に

頭に浮かんだ考えを消した

僕がしっかりしなきゃ駄目だ
そう、今度は僕が


春を抱き締める腕に力が入る

大切な、たった一人の妹なんだ

海斗がいない今
春ちゃんを守るのは葵じゃない


兄である、僕だ


蓮はふと表情を和らげた
腕に入っていた力も抜けていく


「……で、葵。そろそろ教えてくれない?能力の封印ってやつ」


「……そうだな」


葵はその場に座ると目を閉じる
何かを思い出すように穏やかに

蓮と奈央が真剣な表情で待つ中
葵はゆっくりと口を開いた


「彼等の能力を封印したのは、恐らく空と海の扉」

「……またか」


また、空と海の扉
蓮は心の中で舌打ちをした

春達にキレてを飲み込んだ上
人間界に放り投げたという

あれは一体どうしたんだ


「なんでだと思う?」

「全く分からないね」

「春達が禁忌を犯したからだ」