空の姫と海の王子



春の思考が整理された頃に
やっと葵も笑いが引いたらしく
笑い過ぎて目尻に溜まった涙を
細い指先で拭っている

改めて部屋を見渡してみると
やはりここは春の寝室ではない

大きな部屋の中心にある
天蓋付きの巨大なベッド

部屋に揃えられた高級家具は
どれも埃ひとつなく磨き上げられ

日の光が十分に入る大きな窓


「ここ、どこ?」

「あたしの秘密基地」


ガチャリ、と扉を開ける音と共に
部屋に入ってきた奈央が答えると
春は大きな目を輝かせて


「なーーーーおーーーっ!!!」

「っちょ、春、ま…ぎゃあっ!!」


全力でタック…飛びつきました。

そのまま床に押し倒された奈央を
春はぎゅっと抱き締めるが
ちょうどその時、ドアが開いた


「おい葵、そろそろ春ちゃん起こして………」

「あ、蓮!ちょうど良かった!助けてくれな「何やってんの?」


奈央を見下す蓮の目は据わっていて
口元に妖しい笑みを浮かべている

奈央の額に冷や汗が浮かぶ


「朝から何やってんの?女子の特権“過剰なスキンシップ”発動?それとも何、百合フラグ?どっちにしても奈央の歪んだ性格が春ちゃんに移るから、」

「ふあっ」


奈央に引っ付いていた春を剥がすと
そのままお姫様だっこをして微笑む


「おはよう春ちゃん☆」

「おはよー」

「お前ら朝からなんなんだよ!?この馬鹿兄妹!!!」


奈央はとりあえず叫んだ