空の姫と海の王子




「……EARTHは能力者協会の元老院が作った新しい組織。表向きは反能力者派……まあつまりSANだけど、SANと和解するために能力者協会とは別に作られた」


そう、それは二年前

あの戦いが終わって
世界が平和になって

またいつもの日常に戻るんだ

そう思った時にEARTHは設立された


「協会に所属する能力者の殆どがEARTHに登録した。能力者の存在を人の役に立つんだって証明したかった人もいただろうし、単に流されて入っただけの人もいただろうし、」


口を噤んだ

元老院の奴らは初めから
それしか考えていなかったんだ

その為だけにEARTHを作り
無意味にSANを煽った

いや、無意味なんかじゃない


「あいつらは”神“になりたがってる。人間が持ち得ない能力を持って生まれた自分達は、神に選ばれた特別な存在なんだ。ってくだらない理想と妄想を、空と海の能力を使って叶えようとしてるだけ」

「へえ……そんなくだらない事に春ちゃんと海斗は巻き込まれてる訳ねー。ほんと、」


くだらない

そう吐いた蓮の表情はとても冷たく
怒りの感情のせいで瞳の色を制御出来ず
空色と黒をゆらゆらと映し出している

力を持った人間の身勝手な行動のせいで
春はこんなにも傷つき
おまけに海斗達の居場所も不明


………海斗達は無事なのだろうか


ふと頭を過ぎる

あいつらはデリケートな
春ちゃんと違って
図々しいし、図太いし、丈夫だし
なんとかなってるだろうと思ったけど

春の存在がEARTHに知られてるのだ
海斗の存在が知られててもおかしくない