空の姫と海の王子



だけど、それはワガママだと

そんな気持ちで世界は救えないと

決め付けて、自己完結して、

感情を押し込んで鍵を掛けた


「死にたく……ないっ…!」


みんなが幸せなら、それでいい

そんなの、綺麗事だ


「…みんなと……みんなと、一緒にっ……いたいよ……っ!」


忘れることなんて出来ない

知ってしまったんだ

人と触れ合う暖かさも

心の優しさも

みんなと一緒にいると
とても楽しいんだと

手放すなんて、出来ないんだ


だから守りたいと思ったんでしょ?


「……っわあぁぁぁああっ!!!」


子供の様に泣きじゃくる春を
ぎゅっと強く抱き締める

歪む視界の中で春を見つめる


子供だ、

こうして見ると、ただの子供で

誰よりも強い力を持った

誰よりも優しい心を持った

ただ、それだけの女の子なんだ


奈央は唇を噛み締めて
天井を見上げた

足元に一滴だけ落ちた雫は
吸い込まれるようにすぐに消えた