「奈央……ごめんね、春はそれでも守りたいんだ。奈央もみんなも、この世界も、葵も……ワガママだけど、全部守りたいんだ」
春にとって
どれも大切な人達
心から守りたいと思える存在
だけど、
「だからって、あんたが死んだら意味無いじゃん!」
「春は死なないよ?」
「嘘吐け!分かるんだよ!あんたが……命懸けだって事くらい!!」
奈央は吐き捨てるように言うと
春に背を向けて眉間を押さえた
感情が高ぶりすぎて
目の奥から込み上げてくるモノを
抑えつける様に、指先に力が入る
駄目だ、泣くな、
辛いのは、あたしじゃない
「……うん、命懸け……かな」
「やっぱそうなんじゃん……」
「多分、春のやろうとしてることはそのくらい懸けないと叶わないような、そんな事なんだと思うんだ。だけど、死なないよ。春は死なない」
死なない
春の口から出たその言葉は
とても力強い響きと共に
奈央と蓮の鼓膜を揺らした
振り返った奈央の瞳に映ったのは
さっきまでと違う強い意志が
キラキラと輝く空色の瞳
「死なな……いよ、春……」
せき止められていたモノが
溢れるように落ちた大粒の涙
一滴のそれに続いて
ボロボロと大粒の涙が
春の頬を濡らしていく

