空の姫と海の王子



「春の事は大丈夫。それよりも、この人達を元に戻してあげて?」

「それよりもって……こいつらの結晶化は1日経てば溶けるから放っておいても大丈夫だけど、」


奈央は蓮と目があったが
蓮は小さく首を横に振った
何を言っても無駄、という事だろう

春はどうして

どうして自分を大切にしないのか

こんなにボロボロなのに
あんなに酷い激痛が身体を襲うなら
空の能力を使う事を封じられたのと同じ

無力、なのだ

今のこの世界で彼女は危険だ

その存在そのものが
EARTHやSANにとって
神の様に尊く、

物の様に扱われる


「………訳、わかんない」

「奈央?」


どうしたの、と見上げる顔も
心配そうに下げられた眉も

優しすぎるその心も


「あんたは……馬鹿だよ!なんで、なんで……そうやって他人の心配ばっかりで!自分だって十分危険だって分かったんでしょ!?なら……なら、なんで、」


なんで、

笑ってられんの


「……訳わかんない」


春も、自分も、
わかんないことばかりだ

こんな困ったような笑顔

そんな顔をさせたかった訳じゃない
笑ってほしかったんだよ

自分の為に、笑ってよ