空の姫と海の王子




だけど、なんだろう
今まで欠けてたものがはまった感じ

この感じは……そうだ
能力が戻った、って言ってた

……それなら、


春は深く息を吸うと意識を集中させる
春の身体を覆うように現れた空色の光は
先ほどの痛みを瞬時に癒やしてみせた

春が鋭い瞳で男を睨み付けると
男は目を輝かせて息を呑んだ


「ああ、素晴らしい……なんて万能の能力なんだ。これが……これが、神の能力……」

「……あなた達はなんなの」

「申し遅れましたね……私は“EARTH”で幹部をしている、須藤と申します。……いつまで経っても来て下さらないので、迎えに来ました。」


“空のお姫様”


「い、いやあぁぁああっ!!」


その名を呼ばれた瞬間に
またあの激痛が身体中に走り
春はぐったりとその場に膝を付いた

身体に纏った空色の光のおかげで
すぐにその痛みは消えていくが
男はその様子を見て冷ややかに笑った


「むやみに能力を使わない事を勧めますよ」

「何をしたの……?」

「先ほどあなたに失われつつあった空の能力を戻させて頂きました……条件付きですが」


そう言って胸ポケットから出したのは
空色に輝く美しい小さな宝石

そう、ジュエル

男の瞳が揺れると、その色は
黒から薄い紫……藤色に変化した


「申し訳ありません。呪わせて頂きました」