空の姫と海の王子



「俺達を呼んだのはお前か?」

「おい、何故泣いている?」


目の前の光景と、
初めて聞いた俺以外の声

俺以外の誰かがこの世界にいる

そんな現実がすぐには信じられなくて
俺は突然目の前に現れた
二人の男女を見つめたまま
言葉が出てこなかった


「おい、お前。聞いているのか」

「お前ではないだろう。おい、お前名はなんという」

「名………?」


なんだそれ?

俺が黙り込むと二人は顔を見合わせた


「こいつ名が無いのか」

「この世界にはこいつ以外存在してないようだ」

「付ける存在がいないのか」

「じゃあ今決めよう」


なんなんだ、この二人は

表の世界だけじゃなくて
こっちの世界までおかしくなっているのか
でも、いつもの違和感はない

なにが起きてるんだ、一体


「青い……」

「あおい?」

「いいではないか、アオイでいい」

「よし、お前の名はアオイだ」


そうじゃなくて、俺はただ
この二人が青く光っていたから
なんでそうなのか、とか
なんでいるのか、とか
聞きたかっただけなのに