空の姫と海の王子



それからは表の世界で間違いが起きる度に
俺は表の世界を直してきた

それぞれの世界の中での争いは
小さなものばかりだったから
俺の力だけで世界は直せたけど


「嘘だろ……世界は分けたはずなのに」


魔界の生物が海を越えて
人間界に侵略しているのを見て
俺は初めて焦りを感じた


世界を分けても争う

世界をひとつにしても争う

ならば、どうすればいい?


「分からない……」


もし、表の世界のように
この世界にも他の、俺以外の
生物が存在していたら

表の世界の生物達のように

ひとりじゃなく、


「……誰か、教えてよ」


なんで俺は独りきりなんだよ


「誰か……」


見上げた空は涙で歪んでいた

その空に、変わるはずのない空に

ふと、影がかかった