――たくさんの青々とした木に鮮やかな花
それらに囲まれた澄んだ湖
そこは変わることなく毎日が過ぎて
俺以外の生物は存在しない
それが、俺の世界
この世界とは絶対に干渉出来ない裏の世界
湖からは表の世界が見えていたから
俺は湖を覗きこんでは世界を“監視”していた
日々変わりゆく世界
様々な生物達が生きている世界
楽しそうな表の世界が羨ましかったけど
俺は今の世界でも満足していたから
ただ、見てるだけでよかった
だけどある日
表の世界でたくさんの生物が争いあっていた
大地が紅い血で染まっていくのを見ていたら
俺は自分の目から涙が溢れてくるのに気付いた
「……あれ?なんだこれ…」
胸が締め付けられるように苦しくなって
涙は止まることなく溢れ続けた
「止めさせなくちゃ、いけないんだ」
俺はその時初めて自分の存在が
何のためにあるのかを知った
“表の世界を守る為の監視役”
俺は木の枝を一本折ってもう一度湖を覗きこんだ
争う生物は大きく分けて3種類いたから
それぞれの間に木の枝で線を引いたら
湖が突然光りだした
「っ!……あ、あれ?」
光が消えて、湖を覗きこんだら
世界は3つに分かれていた
争いは、無くなっていた

