空の姫と海の王子



SUNの白い制服と数着の私服のみにしては
少し広いクローゼットの右隅にいた

毛布の塊

葵は小さく笑うと毛布の上から
ぱんぱん、と優しく叩いて


ふと、笑顔を消した


勢いよく毛布を捲り上げると
そこにいたのは春ではなく
「ちょっと出かけてくるにょ★すぐに帰るにょにょにょーん」
と書かれた張り紙の貼られた

大きなクマの人形


「…………」


葵はそのクマの人形を持ち上げて
眉間に皺を寄せて、笑った

何かを楽しむかのように


「まったく……春は本当に、」


布を引き千切る音と共に
床に落ちた真っ白な綿

クマの人形“だった”ものを床に投げ捨てると
葵は少し早歩きで部屋を出ていった


「単純すぎるんだよ」


元EARTHの女を探してこの地下を捜し回ってるだろうけど
まともに能力も使えない春は見つけられなくて
地下にいないなら外にいるだろうと考えて、きっと


そこまで考えて顔をしかめた


「本当……気に入らない」