空の姫と海の王子



光の消えていた瞳に光が戻ると
春は女性──リベルの手をどけて
ソファーから立ち上がって二人を見た


「……何をしたの?」


強い口調だが声は震えていた

リベルがクスクスと笑う


「葵様、申し訳ございません。さすがは空、完全には操作出来ないみたいですわ」


「十分だよ。君のおかげで事はだいぶ有利になったからね」

「……騙したの?」


簡単に人を信じた自分を責めた

それ以上に、悲しかった
春は葵を信じていたのに


「騙した?それは少し違うよ。俺は本当に春を独りにしない。それは嘘じゃないよ」


「それ以外は、嘘なの?」

「嘘もあるし、本当の事も言った。……質問は以上ね、ここからは取引をしよう」


そう言って葵はコンクリートの床に
指で何かの図形を描いていく

指でなぞられた部分が白く光るのを見て春は驚く


「能力者……!」

「正解。俺の能力は……"光"」


図形を描き終えると光が増した

驚く春に向かって葵は微笑んだ


「さ、始めようか」