どこまでも続く花畑には
色とりどりの花が咲き乱れ

永遠に花を咲かせる
立派な桜も立っている

そして、その奥には
輝くような純白の城があった


ここは楽園

神々の住む世界だ


穏やかな時間が流れる空間は
今日も平和でし「いやあああ!!」


……訂正します
さっきまで、平和でした


肩まであるココア色の髪に白い肌
150cmと小さな身長に
可愛らしい顔立ちの少女は
全速力で花畑を駆け抜けている

少女の澄んだ空色の瞳には
うっすらと涙が浮かんでいて
後ろを振り返り、黒い影を見つけては
叫びながら更にスピードを上げていく


「いやあぁぁ!!ごめんなさいぃぃぃ!!もうしないから追い掛けないでぇぇぇ!!」


少女の走るスピードは
音速を通り越して光速に近い

それにも関わらず
少女を追い掛ける黒い影は
徐々に距離を詰めていく


「¨もうしない¨は何百回目ですか!もう聞き飽きました!!追い掛けてほしくないのなら止まりなさい!!」

「いやあぁぁ!怖いよおぉぉっ!!」

「待ちなさい!!」


黒い影が叫ぶと遠くから
助けてぇぇ!と少女の叫び


今日も¨いつも通り¨平和です


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