空の姫と海の王子



「──ここは……?」


背の高い木々が生い茂った
木漏れ日が差す気持ちのいい森

だけど不気味なほどに
生き物の気配が全くない


春はきょろきょろと
周りを見渡しながら
森の中を歩いていた

しばらく歩いて森を抜けると
透き通った湖のある広場に出て
ハルはピタリと足を止めた


「こんにちは。こんな所に人が来るなんて珍しいね」


湖のほとりに立つ
少年がふわりと笑った

木々と同じ緑色の髪に
キラキラ輝く金色の瞳

少年に見惚れていたハルは
頬を染めながらお辞儀をした


「こっこんにちは!」

「元気だね。ねえ、こっちにおいでよ」

「はっはい!」


小走りで少年の元に行くと
少年はまたふわりと笑う

水面に反射した光が
更に少年を輝かせている


「君は可愛らしいね。名前は?」

「あ、ハルです!」

「ハル……君にぴったりな名前だね」


ハルが照れくさそうに笑うと
少年は赤く染まった頬に手を添えた

ビクリと体を震わせたハルは
戸惑いながら顔を上げた


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