空の姫と海の王子



「………」


今にも雨が降りだしそうな
重く暗い雲が広がる灰色の空

下に広がる首都の街並みは
いつもと変わらずに賑やかで
大小のビルが隙間なくそびえる


ひかりは目を閉じると
祈るように手を組んだ


「海斗……¨今どこにいるの¨?」


最後の言葉に力を込めると
街が一瞬薄暗くなった

本当に一瞬で普通の人間なら気付かないが
ある一定以上の力を持つ者なら気付いた筈


「あいつ本当に……馬鹿野郎だ」


そう呟くと玄関の鍵は勝手に締まり
雅がクスクスと笑うのが分かった


「まあ暇潰しにはいいけどねッ!」


ひかりはフェンスに手を掛けて
50階建てのマンションの最上階から飛び降りた


_