時々夢の世界があるんじゃないかって思うときがある。
馬鹿みたいだって思われるかもしれない。笑われるかもしれない。
でも思ってしまうんだ。
なぜだかなんて自分にもわかんないけど。

ただひたすらに。
ただひたむきに。



終わりがこないことを祈りながら。












私は夢の中にいた。
見たことのない部屋。
見たことのない壁紙。
見たことはない建物。
全てが新鮮で不思議だった。

黄色と黒色の四角くが均等に並んだ床。
部屋の外には無数の扉。
シンプルに置かれ無駄のない家具たち。
ここの主なのかやや年をとった白い髭をはやした優しく微笑む見知らぬ男性の絵。

そんな一風変わった風貌に圧倒されつつも眺めていると斜め前の扉がそっと開いた。
そこから現れたのは少女より少し大人びて見える青年だった。