涙のアト

 
 
「だぁぁ!わぁったから!飯先に食うから下降りてってくれよ」
 
 
「はいはい、あーおかしー…」
 
 
今だに笑っているお袋を無理矢理部屋から押し出し、部屋着に着替える。
 
 
顔を出したところでふと携帯が目に入り、未来に返事をしていない事に気が付く。
 
 
「!!やっべ…」
 
 
急ぎ携帯を手に取り、愛しいアイツへ返事を送る。
 
 
「しかし、遠回りしたなぁ…」
 
 
思えばオレの長い長い片想い歴。
 
 
途中寄り道はしたものの(まぁ…健全な男子ですから)いつも思い出すのはアイツの笑顔。
 
 
小、中学校と別々だった為、半ば諦めも入りかけた頃、気持ち新たに決めた高校の入学式…
 
 
オレは運命を感じたね。
 
 
オレ目線にはアイツの周りが光り輝いて見えたよ。
 
 
もう後悔したくない。
 
 
オレはこの時、3年の高校生活の間で想いを告げる事を決めたんだ。
 
 
 
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