涙のアト

 
 
 
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「いっくん!おーい!いっくんってばぁ!」
 
…僕を呼ぶのは誰?
 
薄目を開けると、目の前には僕の大好きな人が、こっちを見て笑っていた。
 
 
「ん…みっちゃん?」
 
 
「そうだよ!もー、いっくんたらどうしてこんな所で寝てるの!? 」
 
 
呆れた言い方のみっちゃんだったけど、顔は笑ってるから多分怒ってはいないんだ。
 
 
「僕寝ちゃってたんだ…」
 
 
「知らない間に寝ちゃってたの?かくれんぼしていっくんだけ見つからないから心配してみんなで探してたんだよ?」
 
 
かくれんぼ?そっか…
 
 
 
毎日お決まりのかくれんぼ。
 
だんだん隠れる場所が同じになってきて、今日はいいトコ見付けるぞと張り切っていた僕が見付けたのは、公園の1番端っこにあるベンチの後ろ。
 
 
この公園はかなり広いから、みんなここまで来るのはしんどいだろうし諦めて探さないに違いない。
 
 
みんながビックリしてる顔を想像しながら、僕はルンルンな気分で隠れた。
 
 
それがいつの間にか寝ちゃってたみたい。
 
 
 
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