涙のアト

 
 
「はい…」
 
 
「やっぱり。おはよ♪」
 
 
(寝起きでこのテンション!?絶対タヌキだっっ!!)
 
 
 
私は驚いてしまった自分の恥ずかしさを隠す為、必死に毒づいた事を考えてみる。
 
 
 
一輝はそんな私にお構いなしで、「よいしょ」と顔に被せてあった本を片手で閉じながら、端の方に座り直す。
 
 
 
「未来も座ったら?」
 
 
 
そしてさも私が来たのが当たり前かの様に、自然に、自分の隣をポンポンと叩きながら、ココに座る様にと促す。
 
 
 
私は一輝にゆわれた通り、一輝の隣に…少し間を空けて座る。
 
 
 
そしてチラッと一輝の方を見ると、一輝もこちらの方を見ていたらしく、バチッと目が合ってしまった。
 
 
 
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