「じゃっ、また明日ゆっくり話聞くからね!」
他愛ない話をしながら、二人でいつもの帰り道をいつもの様に歩いて行くと、いつもの分かれ道に差し掛かる。
そして私達は、お互いの家に向かう道へと体を向ける。
「ん、今日はありがと。
だいぶスッキリしたよ」
私が感謝の言葉を添えれば、美月は優しく目尻を下げ、手だけを振って背中を向ける。
私はその背中を見つめながら、大きく手を振ってみる。
そして自分の家への道に体を向き直して、ふと昨日の公園を思い出す。
今日は気分がいいので、なんだか寄り道したくなった。
ううん
少し…ほんの少ーしだけ…。
一輝が居るかも…なんて…
一輝が居たら話したいかも…
なんて思ったのかも知れない。
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