「んん…。って、あれ?」
私は本当に夢の中に居たようだ。
今日何度目になるだろう、美月の呼び掛けによって、目が覚める。
「未来、昨日あんまり寝てないんでしょ。
今日の授業は終わったし、もう帰ろ?
話は明日ゆっくり聞くからさ」
「うん、分かった。ありがと」
美月の言葉に私は素直に従う。
美月は、いつでも無茶をしてしまう私の事を気遣ってくれる。
同じ歳なのに世話好きなトコなんかは、兄弟の一番上だからなのだろうか?
私なんて、いつも行き当たりばったりの一人っ子。
だから美月は私のお姉ちゃんみたいで、私は居心地がいい。
そんな勝手な事を考えながら、少し遠い家までの道のりを美月と歩く。
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