涙のアト

 
 
 
「だからさ、寛人っての、バカだなって。
 
こんなイイ女振るなんてさー」
 
 
 
んっ??
 
 
こ、これって…。 
お世辞だよね?
 
 
 
『イイ女』なんて…
 
私には無縁だと思っていたフレーズを言われ、私は更に声が出なくなった。
 
 
 
「あれっ?もしかして気付いてないんか?
 
まぁ、気付いてないトコがまたイイのか!」
 
 
 
やけに納得している一輝とは逆に、私は一輝の思考が全く読めずにいた。
 
 
 
何て返せばイイんだろ…
 
 
 
「ええっと…ありがと。
 
お世辞でも嬉しいよ…」
 
 
「何でお世辞ゆわなきゃなんねーの?
 
ホントだって」
 
「未来はイイ女だよ?
 
オレが保証するっ!
 
つーか初めて話するのに保証ってのも変か!?」
 
 
「…ぷっ!」
 
 
 
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