おばちゃんは
<<完売しました☆>>
という札を机に立てて
その場から去って行った。

「パン〜(T_T)どうしよう〜」

私がなげいていると背後から
またあの聞きなれない
大阪弁が飛びかってきた。

「お前、昼飯なし?」

振り返るとさっきのあの
男の人だった。

「あなたのパンで最後
だったからね…」

私は嫌味っぽく彼に言うと

「あっまじか〜悪い悪い〜!
じゃあ半分やるよ!」

彼はポケットからつぶれた
パンを出し半分に割り
私にその半分を投げた。

「ぇ……いいよ。そんなの
悪いじゃん…!!」

「ぇえねん〜俺のおごり!
お前、何年や〜?」

「あっありがと……二年」

「俺と同じ学年やん!名前は?」

「えっ……浅倉李呑…」

「聞いたことないな〜
あっ俺は有坂優馬や!」

「私も聞いたことない」

「そらそうや!!つい最近
大阪から引っ越してきた
とこやからな(^O^)」

「そうなんだ!!
あっありがとうね!」

私は有坂くんに一礼して
片手にパンを握りしめながら
階段をかけあがった。