「あれ…ぇ…?」

「李呑?どうかした?」

「お弁当忘れちゃった…」

「えーやばいじゃん!!
今日七時間目までだよ!」

時間割表を見て晴奈は
私の顔を覗きこんだ。

「購買……行ってくる!」

そこへ千佳子が
購買から戻ってきた。

「千佳子!!購買まだ
パンとか残ってた?」

「んー多分あったけど
早くいかなきゃ
売り切れちゃうよ〜」

私は財布を取出し階段を
飛ぶようにかけ降りた。


「……………!!」


偶然に人気のなさそうなパンが
一つだけ余っていた。

「おばちゃん〜これなんぼ?」

私の横から聞きなれない
大阪弁が入ってきた。

「120円だわょ」

「はいよ!」

その人はお金を置いて
そのパンを自分のポケットに
無防備に入れた。

「あっパン!ないじゃん!」

私は我に帰り叫んだ。