本を読んでいるときだけは、嫌なことも、辛いことも、全部忘れることができるから。

だから、いろんな本をもちあるいた。
現実を忘れるために。



「何だよアイツ…マヂ暗いんだけど〜?」
「根クラ?」
彰子と汀が笑う。
「…〜〜〜〜ッ」
梓は、本を閉じて席を立った。