旅館に帰ると、昨日と同じく誰もいなかった。


「“お前のせいなんだろ?“っか…」
ボソッと呟いた。
『クルシイよ……っ〜〜…涙が出ない。なんで?八郷なんかに言われた言葉が、こんなにもイタイの?』
「っ〜〜〜〜。クソ」
バンッっと鞄を壁際に投げつけた。

少ししてみんなが帰ってきた。
「ただいまぁ〜〜」
最後に、結花がルンルン気分で帰ってきた。
「おかえり…」
梓がわらった。
「なにがっあたの?」
結花が聞いてきた。
「何もないよ?」
梓は、そういった。
「嘘…梓笑ってないよ」
結花は、真顔で言う。
「っ……」
梓が口ごもる。
「泣いてもイイんだよ?」
結花が笑う。
「泣けないの…涙が出ないの…なんで?」
悲しそうに笑った。
「……っ…大丈夫だよ」
結花が梓を抱き締めた。
「結花……っがと」