朝起きると、みんなまだ夢の中にいた。

窓の外を見ても、闇ばかりだ。



「寒っ・・・」
いそいそと布団を直して潜り込んだ。
「寝付けん・・・」
目を閉じてみても、体勢を変えてみても、眠気は、襲って来ない。
むしろ遠退いているきがした。

「ハァ………」
深くため息をつくと窓際の椅子に腰かけた。
外は、真っ暗で何も見えないが、逆にそれが梓を安心させていた。

今度は、明かりをすべて消して、月明かりを頼りに椅子に腰かけた
窓をすこしあけ、朝日の昇る前の空気の匂いを楽しんでいた。


「まるで、悪魔みたい」
その呟きは、闇に飲み込まれた。