城の門の前では、和泉が帰る支度をしていた。

王や家臣たち、そして姉2人も見送りに立ち合いしていた。

「ではまた、日を改めて」


「あいわかった」


王と和泉の別れの挨拶が終わり、和泉は馬にまたがった。

別れ身近のとき、遠くから声が聞こえた。

「待ってーっ!!」

馬を蹴る足が止まった。

「月姫?」

「待ってください!」

息を切らして和泉に駆け寄ると、呼吸を整えて頭を下げた。

「もう一度だけ―・・・チャンスを頂けませんか?」


何も言わない和泉に月はそのまま続けた。

「私は未熟です―・・・王の素質もあるかわからない。」

みんなが月を注目している中で、堂々と和泉を見た。

「それでも・・・この国を守りたいんです!あなたにこの城は渡せない!!!」


「八ッ…ハハハハハ!!!」

和泉が大声で高らかに笑うとよしよしと言いながら頷いた。

「では、今戦おう」


「え?!」

「早かれ遅かれやるのなら早い方がいい・・・よいかな?王よ」


周囲が王に目をやると、王はよかろうと言った。