「行ってくる!」


そういうと、勢いよく部屋を飛び出した。
あ!扉の前で立ち止まると

「ありがと!“烈火”」

彼を見て燐とした声で言った。


「勘違いすんじゃねーよ、俺はただ泣いてた奴を黙らせにきただけだ」

あはは!と笑うと月は駆けていった。
部屋に一人になり、あたりを軽く見わたした。


「・・・世話がやける奴」


そう言って烈火が部屋の外に出ると。


「本当にただ黙らせに来ただけ?」


「白!」

そこには、壁にもたれかかって腕組みした白がいた。
烈火をみる黒い瞳は不気味な笑みを浮かべていた。


「だからなんだよ」

烈火がそう言うと、白は小さく笑った。


「別に?・・・ただ、私も好きだよ・・・“軍事”」


そう白が笑い言い残すとさっさとその場を立ち去った。
そして白の背を見ながら大きく舌打ちをした。


「嫌味な野郎だ」


烈火も白とは反対方向にその場を立ち去った。