私の顔が真っ赤になっていると彼は言った。 そもそも、私には同い年の友達もいなく たまに外の道場に連れていってもらうだけで いつも城の中だったからなんだか新鮮だった。 「“月”は楽しいやつだな!」 呼びなれているはずなのにこんなにも 名前ひとつで喜んでしまう私は子供なのか。 彼の笑顔は私をずっとときめかせている。 平時が私の頬に手を伸ばすと“ムギュッ”と私のほっぺを優しくつねった。