「それで?本物はどこにあるのかな?」

「さぁね。知らないな〜」

流備はなおも、しらを切る。するとエメラルドはポーチからスプレーのようなものを取り出すと、流備に近づいて、顔に吹きかけた。

「うぇっ!ぺっぺっ。お前何すんだ!!」

「まぁまぁ体に害はないから」

そしてエメラルドがパチンッと指を鳴らすと、流備の右手が勝手に動き出して胸の内ポケットをまさぐった。

「うぉ!まて!!俺の右手!!」

右手が取り出したのは、小さな箱だった。それをエメラルドは手に取ると

「優しい右手さん。ありがとう」

そういって流備の右手にキスをした。


「それじゃあ、おやすみなさい。ルビー」

そういうと、エメラルドは躊躇なく屋上から飛び降りる。

「くそっ!まてコラー!!エメラルドー!!」

バルーンから尻尾のように垂れる縄ばしごに捕まってエメラルドは飛んでいく。

「そうだ、ルビー!犯行後は、カードを置いていくのが快盗のお約束だよね?というわけで……」

そういってエメラルドは、一枚のカードを流備の足元に投げた。

「ルビー!See You Later」



そのカードには、ラブリーな文字でこう書かれていた




美少女宝石快盗エメラルド三上!!