エメラルドが屋上に到着すると、後ろから流備が追い付いてきた。

「エメラルド…はぁはぁ…もう逃げ場はないぞ!!」

そういってエメラルドに向かって流備が走り込む。だがあと数歩という所でエメラルドが指をパチンッと鳴らすと、流備の足は痺れて動かなくなってしまった。

「ありっ?なんだこりゃ?」

流備の足はまるで凍りついたように動かない。

エメラルドを見ると、彼女は笑っている。

「ねぇ、ルビー。緑のお菓子おいしかった?」

流備は戸惑った様子で答えた。

「どういうことだ?なんでお前がそれを知ってる?」

そんな問いを無視してエメラルドは続ける。

「警察のみなさんも、オニギリおいしそうに食べてくれて、とってもうれしかったよ」

すると流備は、指をパチンッと鳴らした。

「そうか…お前、一服盛りやがったな!!」

するとエメラルドは、パチパチと手を叩いた。

「大正解ー!ところでルビーも、私に隠し事してるでしょ?」

その言葉に流備はドキッとしながらも、しらを切った

「なんのことだ?」

「ないものを有るように、そして実際にあるものを無いように見せる。これの事だったんだ」

そういってエメラルドはポーチの中から『明けのエメラルド』を取り出した。そして右手で流備から見えないようにして。

「エロエロルビー…エロルビー!」パチンッと指を鳴らし、右手をどける。

すると『明けのエメラルド』はただのガラクタになっていた。