……ひんやりとした暗い闇の空間が広がっている。



ぼんやりと浮かぶ青白い光。


有りったけの機械機材とコードが占めるだだっ広い部屋に、人間の存在が一人…






咲眞はデジタルの画面にそっと触れた。


その瞳は機械的な明かりしか映しておらず、人の体温など持ち合わせていないかの様な肌が酷く浮いている。



青緑色を点(とも)したパソコンの画面は、一般人では理解し難い英数字の羅列が永遠にスクロールされていた。





数多く密集した画面達から離脱し、低い天井から吊された一際巨大なディスプレイ。

ディスプレイの中で、幾つかの四角いフォルダが表示されている…


その一つにデジタル化された平面的な六角形の絵があり、小さな赤い印が光っていた。

別のフォルダ画面には、家屋の見取り図の様な表示…こちらにも小さな赤い光の印。



「………」


カタリ と、咲眞はキーボードを叩いた。


始めはゆっくり、そしてそれは慣れた手つきを思い出す様にして細い指先を走らせる。


数える事が出来ないくらいの速い、とても速いタイプ音が、冷たい空間に響く……