ガキンッ
「………!!!」
硬い音が鳴る。
茉梨亜は腰に装備していた小型の銃で目前に迫った関根拜早のナイフを弾いていた。
少年は多少驚いたものの……
「38口径……ほら、やっぱり君は茉梨亜だ」
まるで頷く様に笑みを含む。
「(まだ…体勢が崩しきれてない…!)」
茉梨亜は焦った。
少年はナイフとそれを持つ片手を弾かれただけで、すぐ次の手が打てる…
「今日は殺してやる!!」
少年の逆の手が茉梨亜の首へ伸びる。
「ッ!!」
掴まれまいと茉梨亜は殆ど反射神経で身を引き、両手で銃を構えた。
「………ッ」
茉梨亜は、それからどうする事も出来なかった。
唇が震えてしまって何かを言う事も問う事も、足がすくんで逃げる事も近づく事も、まして威嚇の引き金を引く事だって出来なかった。
「………茉梨亜」
「ッッ!!」
狂った焦点の茶色の瞳に、茉梨亜は怯えるしかなかった。
(なんで………なんでこんな思いしなきゃならないの?!)
茉梨亜は自分自身に腹を立てた。そして悔しくて、悲しかった。
自分でこの現状を作ってしまったのだから。
「………茉梨亜!!」
別の、声が茉梨亜の名を叫んだのが聞こえた。
茉梨亜は身体を動かす事が出来ず、震える目線だけ横へずらす。
「拜早…!やめろ、そいつを殺すな」
声は、聞き覚えがある。
視界の端に入ってきたのは背の高い白衣の男……
「弾、くん…?」
いつの間にか、あの、いつか見た皆同じジャンパーを着た男達が茉梨亜の背後、横に並んでいた。
関根拜早を捕らえるつもりだ。
「ま……待って……」
茉梨亜は何故かそう声を漏らしていた。
管原が厳しい顔付きで白の怪物を見据え、管原の横には相変わらず無表情の勅使川原が立っている。
「またかよ……」
舌打ちし呟いたのは関根拜早。
「!!」
茉梨亜はビクリとなった。
関根拜早は男達と白衣の二人を鋭く見回した後、茉梨亜を目に焼き付ける様に睨み付け……
「ッ待て!!!」
白の怪物はその場から逃走した。
「………!!!」
硬い音が鳴る。
茉梨亜は腰に装備していた小型の銃で目前に迫った関根拜早のナイフを弾いていた。
少年は多少驚いたものの……
「38口径……ほら、やっぱり君は茉梨亜だ」
まるで頷く様に笑みを含む。
「(まだ…体勢が崩しきれてない…!)」
茉梨亜は焦った。
少年はナイフとそれを持つ片手を弾かれただけで、すぐ次の手が打てる…
「今日は殺してやる!!」
少年の逆の手が茉梨亜の首へ伸びる。
「ッ!!」
掴まれまいと茉梨亜は殆ど反射神経で身を引き、両手で銃を構えた。
「………ッ」
茉梨亜は、それからどうする事も出来なかった。
唇が震えてしまって何かを言う事も問う事も、足がすくんで逃げる事も近づく事も、まして威嚇の引き金を引く事だって出来なかった。
「………茉梨亜」
「ッッ!!」
狂った焦点の茶色の瞳に、茉梨亜は怯えるしかなかった。
(なんで………なんでこんな思いしなきゃならないの?!)
茉梨亜は自分自身に腹を立てた。そして悔しくて、悲しかった。
自分でこの現状を作ってしまったのだから。
「………茉梨亜!!」
別の、声が茉梨亜の名を叫んだのが聞こえた。
茉梨亜は身体を動かす事が出来ず、震える目線だけ横へずらす。
「拜早…!やめろ、そいつを殺すな」
声は、聞き覚えがある。
視界の端に入ってきたのは背の高い白衣の男……
「弾、くん…?」
いつの間にか、あの、いつか見た皆同じジャンパーを着た男達が茉梨亜の背後、横に並んでいた。
関根拜早を捕らえるつもりだ。
「ま……待って……」
茉梨亜は何故かそう声を漏らしていた。
管原が厳しい顔付きで白の怪物を見据え、管原の横には相変わらず無表情の勅使川原が立っている。
「またかよ……」
舌打ちし呟いたのは関根拜早。
「!!」
茉梨亜はビクリとなった。
関根拜早は男達と白衣の二人を鋭く見回した後、茉梨亜を目に焼き付ける様に睨み付け……
「ッ待て!!!」
白の怪物はその場から逃走した。



