地区に住む住民一人一人に、定期的に食料や衣服等の生活用品が国から配給される。


だが地区に市場が無いわけてもない。

此処で売り買いが出来る物は、乾燥食料や古着、ナイフや銃器、妙な薬まである様だ。



六角形の保護地区は中心から放射状に12等分。

時計回りにA〜Lブロックと地区が別れている。


それぞれのブロックは巨大な鉄の扉で仕切られている。

しかし扉は常に開いている為、ブロックの行き来は自由である。





……スラムの中心に、外界との繋がりを持った研究所が聳え建つ。

一般の地区住民は入れない。


研究所に働く研究員の出身は皆外界である。


スラム内にはいくつか診療所があり、民間人が病気、怪我を被った場合は無料で診察をしている。

診療所の医者は医師免許を持つ研究所の人間が兼ねて働いている。





保護地区内に頭角を現す人物が居る。

どうやってかスラムの中でも大層な金持ちらしい。

豪華な屋敷を持ち、黒服の部下を従え夜も女性に不自由しない。

一口では言えないような仕事や情事をやっているという。