「……!」

関係者……

と言えば捕まるのか?
警察は黒川の軍団、更に主までも捕らえる気だろうが……

しかし黒川邸でこの傷、このいでたちをした少年達を、日堀は奇妙だと判断して問い掛けた。


……実際、二人はもう関係者ではない。

ただ仲間を助けに来ただけ。


「……えっと」

それをどう説明したら良いか、二人が言いあぐねていると。


「あっおまえら!」

よく知った声が耳に入った。

「まだ居たのか!てっきりちゃっちゃとやる事やってると思ってたが」

反応して振り向くと、そこには大柄の白衣の男が目を丸くして近づいてくる。

「い!?管原サン?」
「なーんでこんなとこに……」

二人の後ろからふらりと登場した管原。
その横には眼鏡を掛けた白衣の男も居る。


「おや、お知り合いですか?」

「あぁ」

管原は日堀へ軽めの笑いを向けた後、二人を見下ろした。

「うぉっ拜早おまえ凄い血だな!!」
「まぁ……ちょっと」
「どこがちょっとだ。咲眞も、また肩か」
「あ、うん」

素早く二人の身体を見て、管原は再度日堀へ。


「こいつら俺の連れなんだ、連れて帰ってもいいか?」
そうかなり自然に言ったのだが、日堀はそんな言葉で納得するわけにもいかない。

「な…馬鹿な事を。何故貴方の連れがこんな所にいるんですか」

「そんな込み入った事を聞きたいのか?それより俺は医者でな、怪我人を放っておくわけにいかない」

管原の顔はいつになく厳しい。
それは少年二人を案じての様に見えたが、実はそれだけではない事を……勅使川原だけは気付いていた。


「ほんじゃま、頂いて行きますぜ〜」
「す、管原さん?」
二人は長身の男を見上げたが、珍しく真顔の管原から「余計な事は言うな」と威圧を受ける。

「……」
訝しげに顔を見合わせた二人だが、しかしなんにせよ管原がここで匿ってくれるなら願ったりだ。

もうあまり、身を置かれる立場に余裕がない。


「……っ分かりました」

日堀はそんな管原の態度を睨んだが、搾り出す様に許可する。

「ただし」