――屋敷、二階廊下。


「おいなんだテメェら!!」

黒服達は明らかに外部の人間である彼らを見た瞬間突っ込んで来た。

白衣を纏う二人はそこで歩みを止める。

「なんだぁ?血気盛んだね〜嫌な事でもあった?」
軽口を叩く長身の白衣の男。

「るせぇ!テメェら誰の許可取って入って来たァ!?」

男達は四人、全員何かしら物騒な武器を持っていた。

「誰って……警察だが」

「はぁァん!?」

眼鏡を掛けた白衣の男が低く言っても黒服達はまともに態度を示さない。

「あーあ、こりゃこいつら一階(した)の現実見たらぶったまげるぜ」

喉で笑って管原はナチュラルに二、三歩下がる。

「そんじゃ後宜しく〜勅使川原」

「……」

あえて顔色すら変えず無表情を決め込む勅使川原。
管原は参戦する気も援護する気もさらさらないらしく、後方でちょっと可愛く屈んでみては「ガンバレッ」などとほざいている。

「テメェ一人突っ立ったトコロでどーなるんだアァ!?」

廊下に構え無しほぼ仁王立ちの勅使川原に対し、男達は見下す様に罵声を投げた。
そして得物を振りかぶって飛び出す。

「骨折っても知らねェぜ!!!」

「……む」

眼鏡の下が鋭く光った。


そして……




「ゥワッ!?」

投げ飛ばされる輩、瞬間間接技を掛けられる輩、腹に鉄槌を喰らった輩。


つまり瞬殺。



「簡単だな…」

廊下にはほんの数秒で三人の黒服が無惨に転がった。


「な……ハァ……!?」

残りは出遅れた一人のみ。


「ひゃー凄いなてっしー。流石元……」

「…言うな」

軽く目を丸くしながら管原はパチパチと手を叩く。

「良かった〜俺か弱いからこんな奴ら相手出来ないし〜」

「その図体で言うか…?」


「……ッ」

残った一人、勅使川原相手を無理だと見て、後ろで適当な事を言っている管原を睨む。

「……お?」
それに気付く管原。

「…………」

「…………」

見つめ合いになった。