白い階段を上がり、とある扉の前で止まる。

蓋尻がノックをし「連れて参りました」と言うと、中から部屋に入れという許可が出た。


案内されたのはやはり豪華な装飾の部屋。

天井が反射する程磨かれた床に、洒落たテーブルセット、ソファー。
奥に見えるのは…天蓋付きベッドだろうか。


娘二人が部屋に入った事を見届けると、蓋尻は一礼して外へ出、扉を閉めた。


パタリ……



「探検をしていたらしいな」

豪勢なソファへ身を埋(うず)めていた黒川が、口の端を上げてそういった。

中年男性の、妙に寛大さを押し付けるような声色をしている。

この男が、多くのスラムの人々を連れ込み、娯楽の一つとして弄んでいる人物……


美織は黒川を畏怖の目で凝視し、あずさは嬉々とした顔で黒川に笑いかけていた。


「探検、もっとしたかったです〜」

あずさは黒川へねだる様に首を傾げる。


「君達は暫く此処に居て貰うのだから、いくらでも探検出来るよ」

黒川は優しい顔をした。が、美織には彼が飽きるまで此処に居て貰う…そう聞こえてしまった。


さて…と黒川は腰を上げる。

「まずは私への自己紹介てがら…」

言って、今一度自分の前に並ぶ少女達を見やる。

意外と下卑たそれではなく、あくまで紳士的な風貌を装った様な……


(虫ずが走る)


「……?」

ふいに、ひやり とした感覚を美織は感じた。

……気のせいだろうか。


「あずさですっ年は15、好きなものは甘いものです!」

相変わらず可愛い振る舞いで自己紹介をしたあずさ。

「……」

これでは自分も言わなければ、変に目を付けられるかもしれない……

「み……美織です。年は16、です」


言い終えた二人を満足そうに見つめ頷いた黒川は、少女達に更に近づく。

両手を伸ばし……

「!」

彼女らの肩に手を置いた。
「……っ」
「黒川…さま?」

「うむ、いい子達だね二人とも。よく分かったよ」

黒川は二人の間に入り込む様にして、少女らの耳元に口唇を近づける。


「次は…君達の体も紹介して貰おうかな?」