妙に豪勢な廊下。
床は大理石でもあしらえているかの様な天井の反射っぷりだ。
一つの扉がある。
これも丁寧に装飾されているが、その前に立つ一人の男は無頓着な体型に無頓着な衣服を纏っていた。
そこへ現れる一人の女。
「ねぇ、黒川様は?」
そう扉の前の男に尋ねた女は、気の強そうな顔立ちをしている。
「またマリアと一緒だヨ、峯(みね)」
肥満体型に焦点の定まらない目をしたその男が答えた。
「またぁ?今回はかなり長いわね…いつもなら一週間持たずに入れ替えるのに」
言って、女は傍らの扉を見やり肩口で鋭く切り揃えた紫の髪を掻き上げる。
「ゥフフ、相当お気に入りらしいヨァレ。コドモ作っちゃウ勢いだって、前黒川サマ言ってた」
男は脂肪を収納しきれず服から飛び出た腹を撫でて笑った。
「何それ。ったく、ホントいい御身分よねえ…アタシ達は超つまんないってのに」
「ぼくらはボディーガードだヨ?暇なのは黒川サマの周りが平和ってコト」
男は含み笑う。
女は自分より数倍体重が重く、頭ひとつ小さい彼を見下ろした。
「何よ高城(たかじょう)、アンタだって侵入者が来ようもんなら先陣切ってやりあうくせに」
「ソ〜だっけ?」
フワフワした態度の男に対し女は溜め息を衝いて踵を返す。
「アレっ何処行くの峯っ」
「散歩よ散歩!どっか適当な男でも引っ掛けてくるわ」
「ェエーまた男?」
男が脱力的に残念な顔をした。
そして一度扉を振り向いて…
「…ぼくも行く!」
「アンタが来ると誰も近づいて来ないじゃないのよ…」
先行く女に追い付いて並んだ男に、女は怪訝そうな顔をしたものの…振り払わず二人でその場を後にした。
床は大理石でもあしらえているかの様な天井の反射っぷりだ。
一つの扉がある。
これも丁寧に装飾されているが、その前に立つ一人の男は無頓着な体型に無頓着な衣服を纏っていた。
そこへ現れる一人の女。
「ねぇ、黒川様は?」
そう扉の前の男に尋ねた女は、気の強そうな顔立ちをしている。
「またマリアと一緒だヨ、峯(みね)」
肥満体型に焦点の定まらない目をしたその男が答えた。
「またぁ?今回はかなり長いわね…いつもなら一週間持たずに入れ替えるのに」
言って、女は傍らの扉を見やり肩口で鋭く切り揃えた紫の髪を掻き上げる。
「ゥフフ、相当お気に入りらしいヨァレ。コドモ作っちゃウ勢いだって、前黒川サマ言ってた」
男は脂肪を収納しきれず服から飛び出た腹を撫でて笑った。
「何それ。ったく、ホントいい御身分よねえ…アタシ達は超つまんないってのに」
「ぼくらはボディーガードだヨ?暇なのは黒川サマの周りが平和ってコト」
男は含み笑う。
女は自分より数倍体重が重く、頭ひとつ小さい彼を見下ろした。
「何よ高城(たかじょう)、アンタだって侵入者が来ようもんなら先陣切ってやりあうくせに」
「ソ〜だっけ?」
フワフワした態度の男に対し女は溜め息を衝いて踵を返す。
「アレっ何処行くの峯っ」
「散歩よ散歩!どっか適当な男でも引っ掛けてくるわ」
「ェエーまた男?」
男が脱力的に残念な顔をした。
そして一度扉を振り向いて…
「…ぼくも行く!」
「アンタが来ると誰も近づいて来ないじゃないのよ…」
先行く女に追い付いて並んだ男に、女は怪訝そうな顔をしたものの…振り払わず二人でその場を後にした。



