にせ偽善者

彼女との出会いは 劇的であった。

誰かの演出なく、これほどの偶然が重なるなんて
疑念の余地などないほどに
現実的であった。

そうなのだ。偶然の重なるドラマティックなんてものは
それが、あまりにも現実離れしすぎると、
余程 現実的に映るものなのだ。

確かに 人に話せば 詐欺師そのもの所作ではあった。
しかし、私にとってのそれは、サギ(誰かが仕組んだワナ)とは
思えないほどに 計算外の連続であった。