にせ偽善者

世界征服の第一歩が 彼女の人生を征服することであった。

彼女の行く術を総て支配する、、、、、、、
それが 私の企てた計画である。

なるべく 自分を殺し、
彼女のことを立てる。
彼女をその気にさせて、
彼女から、金を巻き上げる、、、
それが私のライフワークなのだ。

彼女を 最初から騙すつもりでなけりゃ、
いちいち衝突していたであろう。

彼女を愛し、彼女のためだけを願い
私が奔走していたのなら、
事はたぶん、失敗していたのだ。

いわゆる 彼女は美人局(つつもたせ)だった。
美人じゃない分、妙にリアリティがあった。

元来、美人局、結婚サギなんて 
役割を担う女性の大半は、
なんらかの理由を持ち合わせている。

いや、そうであろう。
不特定多数を募る求人雑誌には
美人局なんて職は ないのだ。

結局はスカウトもしくは
強制的に 利益搾取されての
演出に終始するものなのである。