にせ偽善者

彼女には、私へのお返しの気持ちからなのか、月々、私が彼女に援助し続けた金額を支払う形で、私を支配し始めた。支配しているという感覚は、むろん彼女だけのもので、私はただ、彼女の母性本能発揮時に素直に受け入れてきただけなのだ。基本ズボラな私は、基本几帳面な彼女にとっては、言いたい事だらけであったらしいのだ。それが、言いたい放題できることが、彼女にとっては、癒しになっていた。
ズボラな私と付き合うことが、いや、金銭的にルーズな奴と、ズボラな私と同時に付き合うことが、彼女を理想的介護士へと導いていた。

全てが 私の思う通りというわけではない。実は、奴のわがままな性格が、三人を成功へ導いた原動力でもあった。
その三人の組み合わせの妙が、功を奏していることを認識しているのは 私だけであった。

たぶん、真実を知ったら、まみも、奴も、、、、、
私を偽善者と罵るだろう。