―――その日のHR―――
 
担任が教室に入って開口一番…
 
「ウチの学校は部活全員参加だからな。え〜、今日から部活見学解禁だ…皆、部活を見学して慎重に決めてくれ…」
 
それを聞いた生徒たちからいっせいに野次が飛んだ。
 
「え〜?!部活やんなきゃいけないのぉ〜??」
 
「グヘェ〜…」
 
「俺やだよぅ〜!!」
 
「なんでそんなこと…」
 
主に不満を出すのは男子生徒。
 
これからの高校生活、放課後は部活よりバイトに明け暮れようと決心していた生徒が男子に多かったためである。
 
それを察した担任が釘を指す。
 
「言っとくが、ここではバイトは禁止だからな…」
 
その言葉にまたもや多くの男子生徒が反応を示す。
 
「ぐぎゃ〜!!」
 
「なんでじゃあ!!」
 
「バイトくらいいいだろ!」
 
「俺、泣きたいわ…(泣)」
 
「部活の方がどーでもいーじゃん!」
 
最後に言った男子生徒(名前は知らない…)の言葉に担任が口を開く。
 
「高山〜!なにを言ってんだ…部活はな、生徒を健全にし、なおかつ…集団での社会性を高めるために励むものだ。それを粗末に考えるな!」
 
「…はい」
 
高山というらしい生徒は担任のその言葉にうなだれた。